竹内洋岳(たけうちひろたか)。NHKの番組SWITCHで語った痩身の登山家の軌跡
まるで山で生きるために生まれてきた名前です。ヒマラヤ山脈の8000メートル峰14座すべてを登りきった日本最初の人です。
身長:180cm
体重:65kg
出身:東京都
私の山登りをする人のイメージは屈強な男をイメージなのですが、偉業を成し遂げたとき彼は、身長180cm:体重62kgしかなかったのです。
聞いてなるほどとおもったのですが、筋肉は酸素の消費量が多く高所登山にはむかないのだとか。
山登りをする理由
山登りの何が楽しいのかについて聞かれたときにこのように答えています。
「山登りは、全部が楽しいんですよ。どの山に登ろうか考えるのが楽しい。山が決まって、装備は何を持って行こうか、何を着て行こうか考えるのが楽しい。道具を揃えたり準備するのが楽しい。行って、登って、頂上に達して、帰ってくるのが楽しいし、次はどこにしようか考えるのが楽しい。頂上に立った瞬間とか頂上手前の状況とか切り取ってしまうと決して楽しいことじゃないんだけど、こういう登山の連鎖全体が楽しいわけですよ」
登るときの準備や、登頂の瞬間そのすべてが楽しいという竹内さん。
奇跡の生還
14座峰を登ることを決意したのは2006年で、それま登頂後に次の山を決めていたようですが14座峰の登頂制覇はそのような甘い気持ちではできないと決意したとのこと。
そんな矢先の2007年に悲劇は起きました。過去日本人で10座目以降で登頂に成功したものはおらず、その鬼門ともなる10座目です。
雪崩に遭遇し背骨の破裂骨折、肺が潰れ、肋骨5本骨折という瀕死の遭難事故に遭遇したのです。その時には一緒に登頂を目指していた2人の仲間をなくされ、肉体的にも精神的にも
これだけの大事故にもかかわらず、彼の登頂への決意は変わりませんでした。というのも、現在生きているのも遭難時自らの危険を顧みずに救助活動にあたり、ヘリでの輸送や帰国までのすべてに力を尽くして命を繋ぎ止めてくれた結果。助けてくれた方へのお礼は14座を登りきることでしか返せないと言う強い思いからでした。
学生時代に初めて8000mを登頂してから21年の時を経て日本人で初めて14座峰制覇を成し遂げたのです。
偉業を達成した現在でも、「階段の踊り場みたいなもの」とおっしゃってます。
スポーツとしての登山への理解を深めるための活動を続けていかれるとのこと。
単純にたのしいといってもそこは命がけ。それでも楽しいと思える理由を知るべく、次の山に戦いを挑んでいる。
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