シロサイがの危機の疑問を検証。キタとミナミの違いとは?
キタシロサイの「スニ(Suni)」が昨年(2014年)10月に亡くなって、その2か月後「アンガリフ」が12月に亡くなりました。絶滅を防ぐための会議が行われた報道がありました。
スニは自然繁殖可能な最後の1頭とも言われており、その種の絶滅が深刻化しています。
そこで、今回はそのシロサイに注目してみたいと思います。
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キタシロサイとは?
キタシロサイはシロサイの亜種で他にミナミシロサイがいます。
今回絶滅が危惧されているのは、キタシロサイです。どのくらいの危険度か世界の保全状況を示す区分でみると。
絶滅 (EX)/野生絶滅 (EW)/絶滅寸前 (CR)/絶滅危惧 (EN)/危急 (VU)/保全対策依存 (CD)/準絶滅危惧 (NT)/軽度懸念 (LC)
このように区分される中の「CR」に指定されています。ちなみにミナミシロサイは「NT」です。
ミナミシロサイは1895年頃、南アフリカ共和国に20頭が残るのみにまで減少しましたが、手厚い保護努力により現在では約2万頭にまで回復しています。
現在生き残っているキタシロサイは次の5頭のみ
サンディエゴ動物園(米カリフォルニア州)
40歳のメス「ノラ」
オルペジェタ自然保護区(ケニア)
41歳のオス「スーダン」
25歳のメス「ナジン」
14歳のメス「ファツ」
ドゥブール・クラローベ動物園(チェコ)
高齢のメス1頭 名前不明
サイの繁殖適齢期はというと
【繁殖生理】
・性成熟:♀4~8歳 ♂10~12歳
・繁殖可能年齢:5.6~31.1歳
・発情周期:約30日の短い周期と約70日の長い周期が確認されていますが、いまだに不明な点が多いです。
・妊娠期間:15~18ヶ月、1産1子
・寿命:45~50年(引用:静岡市立日本平動物園)
現在は、冷凍保存されている亡くなった「アンガリフ」の精子を元に人工授精や亜種であるミナミシロサイとの人口受精などが検討されているようです。
しかしながら、亜種であれば妊娠ができない可能性もあり深刻な状況です。
キタシロサイとミナミシロサイの違いは?
いろいろ調べてみたのですが明確な情報はありませんでした。
そもそも、亜種とはなにか。
亜種
生物の分類で、独立の種とはしがたいが、同種とも言いがたいものを亜種として分類する場合がある。研究者の立場によって亜種と同種の位置づけが異なる場合がある。(引用:Jabion)
われわれ人間でいうと、江戸っ子・道産子のようなニュアンスでしょうか。
絶滅危惧の理由
乱獲
サイの角は中国では解熱・催淫の薬効が信じられ、現在でも滋養強壮や二日酔いに聞くとして高価な贈り物として重宝され、ヨーロッパではサイの角で作った杯で飲むと長生きされるとされています。
また、中東では装飾品としてもてはやされ乱獲されてきたことが原因です。
薬効としては科学的にもまったく実証されていないこともあるにもかかわらず、現代でも年間400~500頭のサイが犠牲になっているとも言われています。
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保護活動の頓挫
保護活動が行われていた棲息地域で紛争がおこり、順調に増えていましたがその保護活動が頓挫することとなり乱獲も抑えられなくなったことにより減少に歯止めがきかなかったということもあるようです。
クロサイ
他にクロサイというのもいますが、これは別種とされています。
クロサイもシロサイと同じレベルの絶滅危惧種として指定されていますが、クロサイは5000頭ほどいるようです。
ただ、クロサイと違いシロサイは縄張りが狭く比較的保護がしやすかったり気性が穏やかだったりと一概に数で決められるものではないようですね。
その大きな違いはクチビルの幅の広さです。
クロサイは口先がシロサイに比べて細くなっています。
余談ですが、語源は肌の色とも言われていますが、生息地のアフリカの住民がサイを“Widge Rhino(口の幅が広いサイ)”と呼んでいたのを誰かが”white Rhino”と勘違いし「一つが白ならもう一つは黒だ」と広まったことが有力な説のようですね。
最後に
生物として生きている以上。時の環境変化で淘汰されていくのも自然の摂理なのかもしれませんが、われわれ人間の都合でほかの種が絶滅してしまうということはまた違うと思いますね。
何かの動物で繁殖が進むが全部同じ血縁ということになり新たな問題が出てきた動物もいた記憶がありますが、良い知恵が出てくることを願うばかりです。
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