痛タク終了!札幌の街で新たな風物詩として活躍したその車体とは?
札幌で痛タクとよばれる派手なラッピングカーが話題になっていました。
その画像がコチラ
この車両を運営していたのは札幌市に拠点を置く長栄交通です。
会社名:長栄交通株式会社
設立:2003年5月
資本金:5,000万円
代表取締役:前田 茂哉
事業内容:一般乗用旅客自動車運送事業
従業員数:200名(平成26年4月現在)
車両台数:80台(平成26年4月現在)
きっかけ
企画発案をしたのが営業企画課長の竹内紀仁さん。
2012年8月にブルーベリーの北海道産ベリー類販促として作られた擬人化した「リトルベリーズ」のPRイベントが開かれることになり、その目玉として作成されました。
そこからラッピングタクシーをはしらせ、「エヴァンゲリオン展 札幌」などでも登場するなど徐々に根付き、次第に札幌の新たな風物詩として認知が広がっていました。
「痛タク」では広告収入は得られない!?
そもそも、この「痛タク」屋外広告物としてはみなされず、それ自体での収入はないようです。
というのも、屋外広告物として取り扱うには各自治体の許可がいるのですが、それにはお決まりの制限があります。
その制限の範囲で作成すると、作品の世界観が十分に表現できないこともあり、何よりインパクトを重視してあえて単なるラッピングカーとしての位置づけで運用されているのだとか。
札幌の条例を調べてみたところ以下のような基準がありました。
○札幌市屋外広告物条例施行規則(抜粋)
第35条附則(車体利用広告)
(4) 自動車にあっては、車体の後部及び左右両側部のみに表示するものであること。
(5) 自動車の両側部を利用する広告物等は、左右それぞれ2個以内で、縦0.6メートル以下、横1.5メートル以下であること。
(6) 自動車の後部を利用する広告物等は、縦0.45メートル以下、横0.6メートル以下のもの及び縦0.2メートル以下、横1.2メートル以下のものそれぞれ1個とすること。
たしかに、この制限ではインパクトは出ませんね。
収入がないのになぜ?
この痛タクを作成するに当たり、ラッピングシールの作成諸々数十万単位の費用がかかるはずですが、なぜ続けているのか。
竹内さんによると、
痛タクは通常のタクシーより売り上げが2割高いことが実証されており直接運転手の収入につながるから。
とのこと。
なんて従業員思いの課長さんだろうか…
広告費を徴収すると会社の売り上げとなり、直接運転手の売り上げにはつながらない。
そこで、広告費無料とすることで運転手のやりがいを高める。
素晴らしい発想ですね。
その他にも、竹内さんは地元の宣伝などを無料でタクシーにのせることで顧客として取り込んだりとフリーから生まれる経済というものを感じていらしたようです。
なぜ廃業に?
昨年は7億円もの売り上げを上げていたにもかかわらず、競争が激化し増車などの設備投資をおこなったが結局回収できず資金繰りに行き詰まったようでした。
確かに企業としては上向きを目指すのは当然のことと思いますが、インパクトがあるものというのはその時はよくても必ず慣れが来るもの。
それを見越して過度な設備投資しなければまた違ったのかもしれませんね。
後から言っても致し方ありませんが心苦しいです。
こちらの会社自体自動車整備会社の子会社として後期参入のようですから、結果を生んだ竹内さんは本社であらたな活躍をされるのかもしれませんね。
(画像引用:ねとらば)
この記事へのコメントはこちら