【コナー・オルソン】感動を呼んだ卒業式。癌と闘うアメリカの高校生の最期とは
カンザス州で高校に通う1992年うまれの学生。家庭も円満で仲の良い家族で育った。
高校2年生でありながら学校のアメフトチームのエース。周囲にはいつも友達が集まり、2歳年下のガールフレンドもいた。数学が得意な彼は成績優秀でカンザス大学への進学もきまっていた。
そんな彼の夢は高校の数学の先生。そんな順風満帆な生活を送っていた彼にある転機が訪れる。
転機
それは、17歳になる誕生日前におこった。アメフト練習中に突如おこる右足首の激痛。後日病院で検査を受けると骨肉腫であることが判明。
骨肉腫とは
- 骨に悪性腫瘍(がん)ができる病気
- 約75%の患者が20歳未満の若い世代
- 膝周辺に腫瘍ができることが多い
- 日本では罹患者数が年間約200人と稀ながん
- 現在では不治の病ではない
(参考:がんのきほん)
この癌は進行がはやく、 骨の中にはリンパ管が通っているためリンパや血液の流れにのって他の部分に転移することが多い。現在では発見が早く転移が見られなければ現在では治療によって70%以上の確率で治療が可能な病。
治療と経過
彼は詳細な診断の結果、全身に転移がないことがわかった。
しかしながら、治療がうまくいっても右足を切断しないといけない可能性や、5年生存率は60%であることも告げられる。 前向きな彼は明るく周りに公表し、完治を信じ治療に専念していくのだった。 吐き気やめまいなど抗がん剤による副作用で家族以外に会えないこともあったが、元気なときには友人や恋人の見舞いを受け、一時帰宅が許されるまでになった。
学校にも通い、練習はできなくともグラウンドでチームメイトに明るく声をかけ誰もが全快を信じていた。
その後
しかしながら、周りの期待もむなしく転移が発覚してしまう。
その後治療のかいもなく、病状はだんだん悪化していく。卒業式(アメリカは5月)1か月前になったころ、病にむしばまれ弱った体で脳卒中が起きてしまい左半身が麻痺。しゃべることも難しくなってしまった。
このことを知った学校と同級生はコナーに卒業証書を受け取ってもらいたいと前倒しの卒業式を計画。 その申し出を受けた両親は、痛みに苦しむコナーの様子を見て無理ではないかと感じていたが、本人の「ステージに上がりたい」という強い意志を汲み賛同したのだった。
4月15日。卒業式当日、学校では授業を半日で切り上げ500人近い生徒が講堂に集合。彼は友人らに押される車椅子でステージに上がった。 同伴した看護師や友人との取り決めで「痛みがあったら指1本、我慢できない痛みだった指2本を挙げること」というジェスチャーを決めていたが、最後まで指を2本あげることなく乗り切りきったのだ。
会場ではもうすぐこの世を去る姿を見て泣き崩れる友人もいたが、本人は念願の卒業証書を手にしてとても幸せだったと伝えられている。
その1週間後、4月21日夜にコナー君は18年の生涯を終えることになる。
「憎まれっ子世に憚る」や「美人薄命」ということわざがあります。 なぜ、まだ先がある若いいい人が先にいかなければならないのか。世の中の不条理を感じたお話でした。
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