【渡辺佑基さん】ホントに地味!?バイオロギングを使った海洋生物学とは?
高校時代は工学系が好きだったという渡辺佑基(わたなべゆうき)さん
生物学とは細胞壁はなんだとか覚える学問という印象だったのが。大学に入ってから自然の姿を観察し、よりダイナミックなものであることに気づかされ路線変更をした。
1978年4月12日生まれ。岐阜県岐阜市出身。動物のエネルギー消費量の観点から哺乳類をF1、鳥類をホンダのスーパーカブに例えるなど、工学系出身らしい一面ものぞかせる。
見た感じは飄々とした印象もあるが、東京大学の出身で、卒業時にはもっとも優秀な論文に贈られる「東京大学総長賞」を受賞し、現在は、国立極地研究所の生物圏研究グループ助教をつとめておられるとのこと。
バイオロギングとは
生物に小型のビデオカメラやセンサーを取り付けて画像やデータを記録し、行動や生態を調査する研究手法。
渡辺さんはこのバイオロギングを用いて主に大型海洋動物の行動を研究し、生理生態および種間比較を研究している。どんなことがわかったかというと、これまで定説とされていたものが実は根拠が弱いものに基づき浸透していったものであるということだ。
バショウカジキは時速100キロ以上で弾丸のように海を飛ばす。マグロも負けず劣らず、時速80キロでびゅんびゅん泳ぐ。シャチは時速70キロで前進するし、ペンギンは時速60キロですいすいと海を渡る。
このように信じられていたものが実は、バショウカジキは時速2キロ。マグロは時速7キロ、シャチは時速5キロ、ペンギンは種類にもよるが、おしなべて時速6~8キロでしか泳がないというのだ。
そういった渡辺さんは研究書籍も出版されているが、タイトルのつけ方もユニーク。
「ペンギンすいすい運動学」
「すいすい泳ぐ」と「すいすい読める」をかけた渾身のタイトル。
残念ながら編集さんに一蹴されてしまったようですがw
結局きまったタイトルは「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」
背表紙をみてみると、これまでの常識を覆す文面が!「堅苦しくない楽しい読み物にすることを意識」して書かれたというだけあって気になるものばかり。
生物が唯一得意であった自分としてはぜひ読んでみたい一冊だ。
この記事へのコメントはこちら